Nikon D70s

 



このカメラについては思い入れが強すぎて...。長くなります。


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Nikon D70s。2005年発売。


当時、僕は独立後6年。名古屋で始めたものの東京の案件が増え過ぎて、東京事務所を汐留に開いて2年経った頃。


記事制作の現場はデジタル化の波により、ディレクター、ライター、カメラマンの3人で取材に行くという常識が崩れ始めていました。兼業でできればその分コストが下がる。発注元は兼業できる才能を次第に求めるようになりました。


まず、書けるディレクター、仕切れるライターという融合が起こったのですが、これに加えて「撮れる人」がいればなぁ...というニーズがあったのです。ただ、これはハードルが高く、出現すれば多くの仕事をかっさらえるという状況でした。


撮影機材はフィルムからデジタルへの移行が本格的に始まった時代。ほとんどのカメラマンさんがデジタルを手に入れて、でもまだ試行錯誤していたように見えました。


そんな中、2004年に登場したのが、「Nikon D70」でした。価格はプロ仕様よりも半額ほどに下がった約15万円。プロの方がこのカメラをメインに据えることはありませんでしたが、「撮ることもできるディレクター」が持つにはジャストな機材でした。


新人編集者時代にカメラマンさんと大ゲンカしたのをきっかけに一眼レフカメラを使い始めた僕は、この時点で撮影歴10年。多くのカメラマンさんに現場で教えていただき、多少自信もありました。


「他のクリエイターさんと差別化を図るために、D70を買うぞ」と決めた頃に、ちょうどマイナーチェンジ版の「D70s」が発表され、入手するに至りました。


こうして3人分の仕事をひとりで受けられるようになった僕は、多くの出版元に重宝されるようになりました。自分の会社が成長する大きな転機となったのです。


D70sは約5年間、その後発売された上位機種のD300sに買い替えるまで、しっかり働いてくれました。D70sの方が好きだったのですが、現場で必要な性能的にD300sが優位だったので、故障時の待機カメラとして次第に使わないように。そうこうしているうちに、ボディのウレタン塗装が加水分解でベタベタになってしまい、お別れしたのです。


お別れから約10年。ついに買い戻してしまいました。メルカリでポイントなどを使い、支払額2,500円。とても程度の良い個体でラッキーです。


手にする感触、シャッターの振動と音、出てくる絵、やっぱりこのカメラが大好きなのだと気づきました。


父の遺品をきっかけに昨年から始まり、さまざま迷走を重ねた安機材収集の旅も、ここが終着点なのかも知れません。


あぁ、久しぶりに1000字も書いた。ご長読ありがとうございました。


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